吹雪の山荘を舞台にした名探偵&ワトソン役たちの豪華競演
★★★★★
大晦日の夜、“幽霊山荘”と呼ばれる山荘で、
首なし死体を発見したナディア・モガールたち。
何でも十年前にも、同じ場所で、首なしの白骨死体が掘り出されており、
その死体は、テロリスト集団《ラ・モール・ルージュ(赤い死)》の関係者
であったらしい。
ナディアは十年前に忽然と姿を消した、あの日本人が
事件に関係しているのではないかと考えるのだが……。
何はともあれ、各作家の名探偵&ワトソン役の豪華競演が売りの本作。
ナディア・モガール、刈谷正雄、ブッキー((《私と円紫さん》シリーズの「私」)、
若竹七海、法月綸太郎、そして、当初は執筆に参加する予定でしたが、諸般
の事情でリタイアした有栖川有栖氏の有栖川有栖(学生)が登場しています。
個人的にツボだったのは、法月綸太郎のイジられっぷりで、殺人現場であるにも
関わらず、○○を口説いて、●●にツッコミを入れられたり、××から◎◎との
同性愛を疑われたりと、さんざんな扱いをうけていますw
前任者の原稿を読んだ法月氏は、終始苦笑いがとまらなかったに違いありません。
(まあ、フランス語文法に基づいた《見立て》の解釈で本領を発揮させていますが)