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Under the Net (Vintage Classic Iris Murdoch Series)

価格: ¥1,424
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Vintage Classics
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アイリス・マードック処女作 ★★★★★
アイリス・マードックの作品は哲学書に至るまで全て読んだが、哲学は分からないので置いておくにしても、小説に関しては『An Accidental Man』以外は全て読み易いし面白い。 前半部分に忍耐は強いられるが、後半で絶対に報われる。素晴らしく報われる。人物の心理とストーリーのうねりの協奏曲にあれよあれよとラストまで引きずられ、素晴らしい体験が出来る。
マードックの最高傑作は『The Bell』や『The Sea, The Sea』なのかなと思う。個人的には、善と悪を巡る寓話的小説『A Fairly Honourable Defeat』が一番好きだ。
本作はマードックの記念すべき処女作。以降の作品の円熟味はないし、ストーリーのうねりのスリリングさもさほどではない。しかし全作品に共通するテーマが鮮明に提示されている。「人間はファンタジーに生き、他者も世界も、真の意味では『見えない』ものだ」というテーマだ。読者はジェイクの自己愛の世界に生き、彼の錯誤とともに世界を把握し、最後に「何も見えてなかった自分」と対峙する。ジェイクの目から鱗が落ちる時、その「感覚」を共に体験する。読後感は明るい。物語の醍醐味とはこういうものだろう。
ちなみにマードックは若かりし頃は労働党支持者だったが、晩年は保守党支持だった。コンプリヘンシブスクールに批判的だったし、「左翼」と言い切るのはちょっと…。彼女は政治的な人ではなかったと思うのだが。
The Leftist... ★★☆☆☆
Jake Donaghueは己の「満足の行く」生き方を求める過程で見た都市ロンドン及びパリのボヘミア的側面に関して驚きを禁じえない。結局のところ、机上で計画された生き方とは「net」に過ぎず、其の構築に於いて如何に慎重であろうが(或いは如何にラディカルであろうが)いざ出来た細道は生きた人間が通るには余りにも狭過ぎるのである…。オリジナル版が1954年に出た本作は所謂英国戦後派の一人Iris Murdochの処女作です。人生の否定し得ない一側面を一つのイリュージョン崩壊劇として描き出すMurdochの文学的技術は決して悪くないのですが、本作のメイン・テーマが単なる論理実証主義ではなく明白なる左翼思想である点に嫌悪を覚えるが為に個人的には本作自体を高く評価することも他人に強く勧めることも出来ません。