夢中な姿を学ぶ。
★★★★☆
棟方志功(むなかたしこう1903〜1975)の作品以上に、彼の存在が魅力的に撮れている写真集です。
この写真を見ると、棟方志功が、本気で、版画に夢中になっているのが伝わってきます。
夢中に彫る姿、夢中に摺る姿、夢中になる喜びを、この写真から感じてみませんか。
僕の版画の記憶は、小学4年生の時、クラスの班のグループで、12か月分のカレンダーを彫ったことを思い出します。
馬棟(ばれん)で、版画を摺(す)る時、あの夢中になった快感を思い出しませんか。
「彫る」
p10 体から燃えて、体から妙になって、自然と自分と思いとねじれて、酔って彫る。
「摺る」
p40 版画だからこそできる、いくつも摺れるということ、
摺ることの繰り返しが、美しさが増して行くというところに
大きなよろこびがあります。
「旅」
p129 夢中だということ……夢中でものができなくちゃダメだとういうこと
彼の存在が、芸術のように思える棟方志功です。