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マイ・ラスト・ソング 最終章

価格: ¥3,476
カテゴリ: 単行本
ブランド: 文藝春秋
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本当にラスト・ソングとなってしまいました ★★★★★
演出家としてもエッセイストとしても卓越した作品を作り続けてきた久世光彦氏のまさしくラスト・メッセージとも言うべき作品です。
この世から去る「今際の際」に何を聴くのか、というテーマで連載が始まり14年間執筆されたということも凄いと思います。さらに1編1編が見事な昭和歌謡史になっていますし、昭和という時代をとらえるのにこれほど分かりやすいエッセイもなかったかと思います。久世氏の自伝のような趣もあり、激動の時代を生きた一人の知識人の生き様を感じた作品でした。

ラストには急逝した久世氏を偲んで関係の深かった人たちが追悼文を書いていますが、それがまた胸を打ちます。その後、すぐに後を追った阿久悠氏のメッセージを読むと不思議な縁を感ぜずにはいられません。
希代の名文家であり、まれに見る感傷家であった久世氏の文をもっと読みたいと思っています。これは入手できましたが、バックナンバーの確保が難しく、日本の出版事情の難しさも感じています。

各項目のタイトルを見るだけで本書の素晴らしさが伝わってくると思われますので、列挙させてもらいます。まさしく昭和歌謡史です。
黒いパイプと胸の振子、東京オリンピック前夜、隣組、白秋の童謡、侍ニッポン、みれん町、おんなの朝、森の水車、草原情歌、黒の舟唄、ベサメ・ムーチョ、カスバの女、夜の銀狐、思い出さないで、“虚の花”の季節、大川栄策の孤独、東京ドドンパ娘、大阪で生まれた女、雪之丞変化、琵琶湖就航歌・女ひとり、我が良き友よ、ラストソングとともに(中野翠)、一体どこに隠れているのだろう(松山巌)、同世代の感慨(阿久悠)、久世光彦さんを悼む(小林亜星)、蓋棺録、となっています。