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ストロベリー・フィールズ

価格: ¥177
カテゴリ: 単行本
ブランド: 中央公論新社
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穏やかに微笑み合える事の寂しさ ★★★★☆

決して後味が悪いわけではない。
むしろある意味ハッピーエンドとも言える穏便な終わり方なのに、
無性に感じるこの寂しさは一体何なのだろうか。

夏子は旬を嫌いになったわけでもなく、憎んでいるわけでもない。
変わらずに愛しているのだが、
愛の形が変わることがどうしてこんなにせつないのだろうか。

変化した愛が偽物だとは思わないし、悪い事だとも思わない。
むしろ男女の恋愛よりも、ある意味深い愛情なのかもしれない。

ただ一つ言える事は、そういう愛情に変化した方が、
自分の気持ちがとても楽になれるということである。
そうなるしかなかった。自分の心を守る為に。

人の心が変わることの寂しさを、静かに味わえる小説である。



面白かったです! ★★★★☆
一番好きな作家、小池真理子さんの500ページから成る長編

今回も丁寧に丁寧に人物や風景が描かれており、脳内映像でしっかりとした映像を想い描く事が出来ました

旬の狂おしいくらいの愛には恐ろしい物があったけれど青年の一途さが生まれ育った環境から育まれて来たものだと思うと納得出来る面もありました。

小池真理子さんの決して手を抜かない文章には毎回感心させられます。
なぜストロベリーフィールズなのか? ★★★☆☆
分厚いので、読むのに時間がかかるかと思ったら、難しいのは登場人物の人間関係だけで、文章は平易なのですぐに読んでしまいました。

登場人物の説明をするだけでどのような内容かわかるかもしれないという本でして(笑)、

50過ぎの出版社の社長
その後妻で45歳くらいの美人の女医さん
社長と病死した前妻の間に出来た、美人で世間知らずの高慢ちき娘 21-2歳
その娘の友達
その娘の友達の異母兄弟の兄。公認会計士を目指すとかいいつつバーテンのアルバイトする色男
その高慢ちきな娘の婚約者
社長の秘書。35歳くらいで仕事が出来る美女

この7人が繰り広げる、どろどろした恋愛と駆け引き…。

主人公は女医さんなのだが、その女医さんを手玉に取り、秘書も娘も落としてしまう兄の描写が圧巻で、その落とす理由も落とし方も呆れてしまうくらい…。しかし具体的なエッチなシーンはほとんどなく、さすが小池さん!!という感じ。

昼メロの原作にしてよいのでは? 

このストロベリー・フィールズは、もちろんビートルズのストロベリー・フィールズ・フォーエバーの事であり、色男がバイトしているバーが60-70年代のロック?ポップス?を流しているような店で、この曲を聞きながら説明するシーンがある。私も知らなかったのだが、ストロベリー・フィールズというのは、イギリスに実際にあった孤児院の名前らしい。ジョンはその孤児院を何度も訪れたことが会ったとの事。

しかしこのストロベリー・フィールズがこの本のタイトルになった理由は?と考えると別にあまり意味はないのでは?と思ってしまいそうだが、結局人間は最後は孤独…とかいう事を表現したかったのだろうか?

まとまりのない結末 ★★★☆☆
小池氏の作品は、ハッピーエンドと、アンハッピーエンドの2種類があります。
今回は、前者に属するもの作品になるわけですが、中途半端だと思います。
書き下ろしではなく、連載ものだったためか、まとまりのない結末だと思います。
えてして、アンハッピーエンドの場合は、滅茶苦茶な形で終わらせることで、逆転的なまとまりがありますが、ハッピーエンドで終わらせるのは難しいのかもしれません。
どうもおさまりが悪いのです。小池氏は作品を通して、人間の深層心理にある善や悪を追及しているように思うのですが、今作はどちらも描こうとして、描き切れなかったという気がします。
たとえば、葉月はどうなったのでしょうか。こういう結末にするのであれば、もう少し描くことで厚みも出てくると思うのです。
ハッピーエンドでうまくまとまっているのは、『冬の伽藍』くらいしか見当たらないのが残念です。
小池さんの中の幸せとは ★★★☆☆
ストロベリー・フィールズ 小池真理子 中央公論社 2009

2007年から2008年に読売新聞朝刊に掲載された長編に加筆修正。

鎌倉を舞台に1人の医師であり後妻として娘を持つ母として生きる女性の物語。
そういえば「恋」のラストシーンも鎌倉だったように記憶している。また他の作品にも鎌倉が登場する。小池さんは鎌倉を愛されているのだろうか。

小池さんの小説に登場する主人公(女性)は必ず翳がある。そしてハッピーエンドでは終わらせてくれない(二人の季節、はそうでもないが)。
今回も女医夏子の幸せは一体何なのかと。ちょっとエンディングが寂しかったな。
痴呆症の症状が出始めた夏子の母親、そして自身の子供のいない夏子、なぜか夏子が小池さんに見えてきてしまうのは私だけであろうか。

これはどうでもよいことなのだが、夏子が品川駅前の高層ホテルに宿泊するのに横須賀線でなぜ東京駅まで行かれるのだろうか?品川駅で良いのではと思う、あるいはタクシーをどうしても使うのであれば新橋駅でもよいのだけれど。。。。