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犬の現代史

価格: ¥1,700
カテゴリ: ハードカバー
ブランド: 現代書館
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犬の近代史 ★★★★☆
明治、大正、昭和と近代史の中で犬がどのように扱われていたかを多くの資料から読み解く本。この本を読むと、現代の過熱したペットブームはここ20〜30年くらいのことであり、それまでは犬と人との距離はそれほど近くはなかったことがわかる。

まず日本人には犬を使役するという概念がなかったこと。犬といえばイコール番犬であり、放し飼いにされ、あるいは繋がれて家を不審者から守ることに重きが置かれていた。警察犬も導入されたもののなかなか根付かなかったようだ。軍用犬として訓練を施し戦地に同行させても、最後まで責任を持って犬に接するという概念が日本人には欠けていた。負傷し、助かる見込みのない犬を戦地に置き去りにしたというから、「安楽死」という選択も日本人は持っていなかったことがわかる。南極に取り残されたタロとジロもしかり・・である。そして犬を通して子供たちに忠義を説いたのだ。ちょっと身勝手な気がしないでもない。

国事のたびに往来の邪魔になるといって犬を駆除し、戦時にあっては駆除した犬の毛皮や肉を利用したというからびっくりだ。その是非はさておいて、現代のペットブームの陰には、こんな犬の歴史もあるのだと実感できる本。
可哀想な犬 ★★★★☆
 著者は日本近代の暗部に切り込んだ作品の多いライター。
 本書も大正から昭和にかけて、日本人が犬をどのように扱ってきたかを通して、「近代」というものを見直している。専門の研究者ではないが、充分な一次資料を使い、きちんと分析しているので、そこそこ信頼のおける一冊となっている。
 全体は三部構成で、軍犬、狂犬病、動物愛護が取り上げられている。犬を飼うことが非国民とされた戦中、「軍犬」として育てることだけが、飼育の言い訳となった。それ以外の犬は撲殺され、あるいは毛皮として利用された。そういう話を、きちんとデータを示しながら教えてくれる。
 現代の犬の幸せさを感じさせられた。