プラトンは有名なプロレスラーであり、プラトンという名は実はリングネームだったという話には興味をそそられた。プラトンはあまりに有名な哲学者なので、天の上の人といったイメージがあったが、この話を聞いて親近感を覚えた。以下では、本書から得たプラトンの思想についてまとめた。
プラトンはピュタゴラス(三平方の定理の発見者)の影響から「数学こそ宇宙を理解するための鍵である」と信じ、「かたち」「形相」「純粋なイデア」といった哲学を見出す。この中心に位置していた思想がイデアである。そして、人間達が日常で知覚するものは仮象にすぎず、本当の現実とは、イデアの世界、「かたち」世界であるとした。つまり、私たちが知覚している全てものは、普遍的なイデアの不完全なコピーであるのだという。
哲学に興味のない人間にとっては、この90分でわかるシリーズは、相変わらず意味不明の書物であろうが、哲学に興味がある方の入門書としては格好の書である。