専門的な、あまりに専門的な。
★★☆☆☆
内容や方向性はわるくはないと思うが、
全体の中の8割以上が、
専門家だけが興味を持つような事柄へのアプローチであり説明。
大学でこれが授業として講義されていたとしても、
ほんの数人の生徒の心しかとらえることができないだろう。
講談社選書メチエは、時折こういったことになって、
何のための、誰のための本なのかわからないようなものを出している。
専門的であることはわるいことではないが、
それが専門家の関心と方法の中で終始してしまうと
悲惨なものが本となって出まわってしまう。
「近代ヨーロッパの誕生ーオランダからイギリスへ」もテーマはいいのに、
視野狭窄風の書物に堕してしまっていた。
「オスマンVSヨーロッパ」は良書として着地できていたので、
当たり外れが激しいシリーズなのか。