遺作
★★★☆☆
1994年に光風社出版から出た単行本の文庫化。2004年には徳間文庫版も出ているようだ。
平成6年6月という、著者の死の直前に出版されたもの。
「餌屋の客人」「忘れていた女」「雨宿り」「おびき出し」「岡っ引無頼」「寝ものがたり」「生き返った男」「身代わり」「江戸の敵」「三河屋」「斬また斬」の11編が収められている。
いずれも時代小説。明治初期の話もあるが。
ひねりが効いている。読者の予想をきれいに裏切ってくれるのだ。単純な話のように見えても、さらに奥がある。
著者の作品としては、平均的なレベルの一冊か。