往年の人気芸能コンビ、ディクシー（ベット・ミドラー）とエディ（ジェームズ・カーン）に全米芸能勲章が授与されることになった。そのセレモニーのため迎えにいったテレビ局員は、老いたディクシーから、かつて自分が第ニ次世界大戦以降、数々の慰問ショーで歌い続けた思い出を聞かされる…。
 『黄昏』の名匠マーク・ライデル監督が、かつて『ローズ』で組んだB・ミドラーと『シンデレラ・リバティ』で組んだJ・カーンを主演に迎えて描くヒューマン大河ドラマの秀作。第ニ次大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争といった慰問ショーの中で奏でられる音楽に乗せて、ヒロインの歩んだ数奇な人生模様が感動的に綴られていく。二大名優それぞれの名演は今更強調するまでもなく、軍隊が主な舞台でありつつもアメリカ映画ならではの良心を痛感させる優れた出来栄えを示してくれる必見作。（的田也寸志）