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気象解析学―観測データの表現論

価格: ¥17,659
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東京大学出版会
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教科書であり物語であり思想書でもある ★★★★☆
気象解析の教科書‥‥‥ですが,物語的に読めるのがすばらしいですね.
教科書教科書しない辺りがいいです.
著者の大気科学のみにとどまらない,多方面の学問分野での造詣の深さを感じ取る事ができます.

気象学会大会に初めて聴講に行く前に読んでおくといいと思います.

「賢明な読者ならお気づきであろうが」は無視してください.普通気付きません.

あと,洗脳色が強いので,あまり染まらないように.
逆に言えばそれだけ説得力があって読みやすいという事なのですが.

# 私も,この著者に洗脳されているおそれがあるので,このレビューは実は役に立たないかも.
気象学専攻の学部高学年・院生向け初級解析手法ガイド ★★★★☆
 気象学における観測データの分析手法、特に図化について述べた本です。解析手法の専門書ではなく、現場の研究者の視点で書かれたデータの扱い方、図化の意義についてざっくばらんに書かれている点が特徴です。図化を「次元縮約」の観点で整理した第4章「さまざまな解析法Ⅰ 次元縮約による表現」、平均の功罪とそれを利用したデータのフィルタリングについて述べた第5章「様々な解析法Ⅱ 平均操作とフィルター」、大気現象を波動の観点から捉える手法について述べた第6章「様々な解析法Ⅲ 振動と波動」は気象学専攻を志望する学部生には初級として適当ではないでしょうか。具体的な解析作業に立ち入る際には別の専門書を参考にする必要がありますが、気象をどういった観点から解析するために、どういった類の解析法や図下法が用いられてきたのか、が幅広く学べる本です。

 個人的に得心がいったのは次元縮尺です。気象は経度・緯度・高度に時間変化を加えた4次元の事象として捉えられますが、アニメーションを除けば、見やすい図は2次元です。つまり、4つから2つを選ぶ(4C2)ので6種類の図化法があります。それが、①水平分布、②東西高度分布、③子午面分布、④東西時間断面、⑤南北時間断面、⑥高度時間断面、です。この説明で、一気に図の特徴の整理がつきました。

 気象力学では波動として気象を捉えることも新鮮でした。私自身は理学の出身ではないので、今一つ気象を捉える勘所が分からなかったのですが、本書の第6章は多くの示唆を与えてくれました。6章で紹介されるスペクトル解析は良くお目にかかる手法ですので、自分が使わない場合でも一読しておくと助かるかもしれません。

 随所に「Yanai-Maruyama wave」が代表例として登場しすぎるように感じますが、それはご愛嬌でしょう。やや値が張りますが、気象学の初学者には一読をお勧めです。