分子に関わる化学の基本
★★★★☆
数式を用いずにVB法とMO法の考え方を紹介しています。有機化学や錯体化学など分子をテーマとする化学の諸分野の講義を受ける前に読むべき本です。また、学部中級生にとっても、必要な式を紹介してその物理的な意味が何たるかを説明しているので、量子化学の教科書の副読書としても有用です。多くの無機化学の本にこの本と同じような記述はありますが、この本のほうが"orbital"を軌道と訳さずそのままオービタルとしているなど、訳への気配りが細かいのでこちらのほうがお勧めです。多原子分子のMOの演習問題が少ない点、オービタルの図が古い点などで星4つとさせていただきました。