薫は浮舟のことをまじめに考えていたのかいなかったのか、最後まで読んでも分からない。「薫」とはそういう人物なのであろう。
最後に紫式部はつぶやく。「千年とは、どれほどの長さを持った時だろう? そのときに至って、すべての女は、自身の足で歩み出すことが出来るのだろうか?」
私は、歩き出そうとしています。紫式部の千年の後に。
長い長い物語。最後まで読んだ皆さんお疲れさまでした。橋本治著「源氏供養」もどうぞ。