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窯変 源氏物語〈14〉 (中公文庫)

価格: ¥1,543
カテゴリ: 文庫
ブランド: 中央公論社
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素晴らしき「窯変源氏物語」! ★★★★★
昔々、学生時代に「源氏物語」にちょっとだけ触れることがあった。
そのとききちんと読まなかったことがずっと心に引っ掛かっていたのだが、ン十年後、橋本氏の「窯変源氏物語」を読み始めてからその面白さにぐんぐん引き込まれ、この本と巡り会ったことを本当に嬉しく思った。
氏の豊富な語彙に、日本語の素晴らしさを思い知らされ、その文章がつむぎだすきらびやかな、情趣あふれる王朝物語に酔った。
改めて、1000年の昔に一女性が(書いたとされている)このような複雑な心模様を描いた大長編の物語を日本で生み出してくれたことを誇らしく思った。
そして橋本氏を尊敬する。
そして、千年- ★★★★★
浮舟は匂宮とも通じ、薫と匂宮のどちらも選べない。薫にとっては亡き大君の換わり、匂宮は多情、選べない浮舟は身を投げる。
これが、おそらく浮舟の初めての自己主張だったのだろう。
そしてもう一つ、浮舟は髪をおろし、尼になる。俗世と縁を切る。これが、浮舟をつなぐ瀬となったのだと思う。

薫は浮舟のことをまじめに考えていたのかいなかったのか、最後まで読んでも分からない。「薫」とはそういう人物なのであろう。

最後に紫式部はつぶやく。
「千年とは、どれほどの長さを持った時だろう? そのときに至って、すべての女は、自身の足で歩み出すことが出来るのだろうか?」

私は、歩き出そうとしています。紫式部の千年の後に。

長い長い物語。最後まで読んだ皆さんお疲れさまでした。
橋本治著「源氏供養」もどうぞ。