インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

アリア系銀河鉄道―三月宇佐見のお茶の会 (講談社ノベルス)

価格: ¥8
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
幻想と論理の美しきハーモニー ★★★★★


■「言語と密室のコンポジション 他二編」



■「アリア系銀河鉄道」

  宇佐見博士の旧友・鶴見未紀也が、何者かに毒殺される。毒薬である
  ×酸××ウムは、皮膚に接触することで鶴見の身体に吸収されていた
  のだが、犯人が鶴見家のどこにそれを仕込んだのかは、不明だった。

  そして、鶴見が毒殺されたのと同じ頃、鶴見家のそばにある刑務所
  から、伝説的なハッカーの囚人が脱獄するという事件も起きていた。

  宇佐見博士と鶴見の娘・マリアは、銀河鉄道に
  乗り込み、二つの事件の関連を検討するのだが……。



  脱獄トリックはそれなりに面白いのですが、毒薬の仕込み場所はお粗末。

  いくら毒薬を検出するための薬が高価といっても、
  さすがに警察もそこは調べるんじゃないでしょうかw

  とはいえ、本作の主眼は事件それ自体にはなく、あくまで
  ファンタジイ的手法によるアクロバティックな解決にあるの
  ですから、ごちゃごちゃ言うのは野暮でしょうね。



■「アリスのドア 〜Bonus Track〜」

  大きな石材で造られた部屋で目覚めた宇佐見博士。そこには、二本足で立つ
  白いウサギがおり、彼は宇佐見博士に「この部屋から出なければ、どこへも
  行けませんよ」と告げた。

  その部屋には、高さ三十センチほどのドアが四つ、菱形に設けられており、
  部屋に用意された大きさの異なる三組の鍵と、液体の入った二種類の瓶
  を使って、“出口”を見出すのだと思われるが……。



  『不思議の国のアリス』をモチーフにした、ファンタジイ的な道具立てを
  用いながら、実はきっちり割り切れるパズラーであるという見事な小品。
  

 

本格の可能性はここまで広いのですね ★★★★★
 ちょっとした拍子に他の世界に紛れ込んでしまう癖のある宇佐見博士。彼はそれぞれの、この世界とは違う世界のそれぞれの物理法則の中で起きた事件の謎を解いていきます。
 なんだか、児童書のぽっぺん先生シリーズに似ているなと思ってしまいました。
 推理はどこまでも明晰なのですが、宇佐見博士の人柄かどこかほのぼのとしています。