私立中学を受験する理由の中にはいい大学に入れるように、というのももちろんありますが、一番の原因は公立校への不信感です。荒れている学校はもちろんですが、公立校には教育理念がないことが保護者を失望させている原因です。この子にあった校風の学校に行かせたいという思いが私立受験に向かわせているのです。また、私立中学の多くは中高一貫教育をしており、入学してしまえば公立校よりのびのびとした環境の中で学習していくことができるのです。
とはいえ小学生のうちから塾通いをすることで発達に悪影響を及ぼすことを指摘している保護者もいます。しかし多くの保護者は中学受験によって「努力することの大切さを学んだ」「子どもが受験を通して成長した」「家族が一つになれた」、受験に失敗した場合でも「人の痛みを知ることができた」とプラス面をあげています(ちなみに「受験してよかった」は60%、「どちらでもない」30%、「よくなかった」10%でした)。もちろん中学受験する保護者が対照の本なのでアンケートの対象など多少客観性を欠いている可能性もなきにあらずなのですが、現代の受験事情を知る上で参考になるかもしれません。