この本はJ.J.Sakuraiが書いた、場の量子論の標準的参考書である。この本を読む前にJ.J.Sakuraiの「Modern Quantum Mechanics」を読むことをお勧めする。なぜなら、本書では（非相対論的）量子力学を十分に理解している事を前提に書かれているからである。本書の最大の特色は、具体的例がとにかく豊富であることであろう。そのため、各章ごとに演習問題があるが、本書を読み、途中計算を自分で拾っていくだけでもかなりの力がつくはずである。この本を読めば、場の量子論の成功と、その成功にもかかわらず解決されない問題（電子の自己エネルギーの発散など）が理解できるだろう。

「現代の量子力学」でも有名な著者による相対論的量子力学の本です。輻射場の量子化から導入し、ディラック方程式とその量子化、散乱の摂動論とファインマン図へと続いて行きます。

数式は要点を抑えて書かれており飛躍することがないので無理なく追うことができます。何より物理のイメージが豊かに描かれているので理解したいという意欲が湧きます。

量子力学を勉強した人が場の理論を学ぶ前に読むのに非常に適した本だと思います。