何が起き、何を間違えたのか?
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類書と同様、倒産事件を多く扱う弁護士としては、その根本であるバブル経済とその崩壊、それに対する対応の評価は事件処理の基本になる。
日本経済新聞社の「検証バブル、犯意なき過ち」は、丹念な検証を行なっているが、その後の経済の崩壊の原因がどこにあったのかについては、ツッコミが弱いと感じた。本書は、複雑に入り組んだバブル経済崩壊後の経済対策の誤りについて、丹念に論証している。
崩壊が始まった段階での1991〜92年の経済白書は、崩壊を申告に唱えなかったばかりか、93年には、「景気は底を打った」とまで論じている。これは、大きな判断ミスであろう
「平成の鬼平」ともてはやされた人物のその後の修正の遅さ、それに対する内部からの意見が無視されていく課程。
・・・・誰か一人に責任があるわけではないが、この経済の崩壊は、やはり人災であった。
そういうことを考えると、この機関に破綻した会社や金融機関は、ずいぶんと責められたが、果たして一経営者に責任を押し付けて済むのかは大いに疑問であると言えよう。
この分析を元に、このようなことが二度と起きないように、対策を考える必要があるであろう。