まとまりに欠けるのでは?
★★★☆☆
この本の主要部分では、オペラ一般について語るよりも、具体的な作品中の登場人物やテーマを個別に取り上げ、話が進められる。このようなアプローチが効果的な場合もあるのだろうが、ここではまとまりに欠けるように感じられる。作品解説から部分的に取り出して、括り直したようだ。オペラに全く触れたことのない人よりも、気に入った作品に既に出会うなどして、オペラに魅力を感じ始めたような人により適した本ではないか。CD、LDは豊富に紹介されてはいるが、この本の発行が1995年なので、ディスク情報は少々古くなってしまっている。最後の55頁を使い提供しているオペラ110本のデータとあらすじはレファレンス的価値がある。