世界中でこよなく愛されているストーリーテラーのパウロ・コエーリョが、ロンドンを舞台にした胸躍る新作を携えて戻ってきた。『Witch of Portobello』はアテネの、あるいは洗礼名で呼べばシェリーンの物語。アテネの人生が、彼女をよく知る人やほとんど知らない人――両親、同僚、恩師、友人、知り合い、そして元夫――のインタビューをつうじて、ひとつにつなぎあわされていく。物語がすすむにつれ、ルーマニアの孤児院で育ち、ベイルートで子ども時代を過ごしたアテネのミステリアスな生い立ちが明かされていく。戦争が始まると、アテネは引き取ってくれた家族とともにロンドンへ移る。そしてそこで、物語は劇的な展開を迎えることになる。予言の力を持つとされ、「ポートベロの魔女」の名を与えられたアテネは、ドラマチックにその姿を消してしまう。そして残された知人たちは、アテネの人生と突然の出奔の謎を解いていくことになる。読みはじめたら止まらないこの新作には、精神性、人と人とのつながり、運命、自由など、パウロのファンが愛するおなじみのテーマがたっぷりつまっている。