お金の教科書
★★★★☆
人生最大の買い物である、住宅、保険、それに加えてお金の運用など、お金に関することをわかりやすく説明してくれています。
持ち家を持つことが様々な面で不利であること、民間の生命保険に加入することは日本の充実した公的健康保険の存在から無駄であることなどについて、ていねいに解説されています。
ただ、個人的にお金の運用について「分散投資」を薦めている点はどうなのかなあと思いました。
世界同時不況が起これば消し飛ぶ可能性があること、また投資について「確実なものはない」という普遍的な原則を考えると、なにか違うような気がします。
とは言え、一読の価値のある本だと思います。
リスク資産はどこまで持てるか
★★★☆☆
人生の五大支出(住宅、車、保険、教育費、老後資金)について、統計を用いて具体的な金額を出しています。費目別の節約方法も示しているので参考になります。
しかし、老後資金7,300万円のうち5,078万円を、リスク資産である投資信託積み立てで用意すべきとの考えにはあまり賛同できません。リスクを上手に分散した投資信託でも20%や30%の下落は平気で起こります。このような下落がリタイヤ直前に起こった場合は千万単位の損失が確定してしまいます。自己責任で覚悟すべきと言えばそれまでですが、精神的に耐えられない人もいるのではないでしょうか。
一般的にリスクを伴う投資は余裕資金の範囲でするべきとか、最大の損失可能額を計算してから範囲を設定すべきとかといった意見があります。それを超えて行うことを推奨する場合は、それなりの理論武装が必要でしょう。今後の著書に期待します。
「なんとなく将来が不安」な若い人へ
★★★★★
「知るぽると」(金融広報中央委員会)や「お金の寿命」(新生銀行)で生活診断をしてみると、私(20代独身)の老後はどうも経済的に楽ではなさそうでした。
きちんと節約もしてるし貯蓄もしてるのに何となく将来が不安になり、答えてくれそうなこの本を手に取りました。
各章では、20代〜30代のごくごく平均的な勤労者世帯が、人生の5大支出(住宅、車、保険、教育、老後資金)を親世代と同様に払ってしまうと、将来経済的に破綻する危険性が高いことが、数字をあげてわかりやすく説明されています。
変わりつつある賃金体系をベースに将来取得できる賃金を算出し、人生の5大支出に生涯かかる平均的な費用を引くと…将来真っ暗!という話が身に迫って感じられました。
賃金が増えないなら、「人生5大支出にかかる総コストを下げる方法をとろう」、「総コストを下げた分で、長期的な視野で投資をしてみよう」というごくごく当たり前の対策が説明されていましたが、「損をするかもしれないから(投資は)避ける」という私の消極的なスタンスでは将来必要なお金を生み出す機会を失う危険が高いことも理解できました。
小一時間ほどあれば読破できる内容ですが、とても勉強になりました。
「なんとなく将来が不安」という若い方、「なんとなく投資がこわくて踏み出せない」という方には早めに不安の原因を知ることで、対策がとれるようになると思います。
人生の5大支出に限らず、支出を生涯掛かる費用で計算してみるという方法にも目からウロコが落ちる思いがしました。今後参考にしたいと思います。
このままじゃ たりなくなるので 投資だよ
★★★★☆
1.内容
今の20代、30代の人の親世代は、経済成長がある一方で、深刻な少子化もないので、あまり老後の心配はない。しかし、今の20代、30代は、経済成長が期待できず、少子化のため(現在の年金制度の下では)年金も期待できず、給料も増えていない。このような状態で親世代と同様の生活を送ろうとすると、おそらく破綻する。そこで、人生の5大支出である、住宅、車、保険、教育費、老後資金(以上p32)を見直し、浮いたお金で世界分散投資信託を検討しよう。その他にも、現在の20代、30代が知っておくべきお金についての知識がまとまっている本である。
2.評価
おおむね参考になる出来である。ファイナンシャルジャーナリストの著者だから書くのだろうが、「現代は投資を避けることのほうがリスクになる時代」(p6)であることも説得力のある説明がなされている。ただ、(1)私の金融知識が貧弱だから思うのかもしれないが、分散投資がいいのかわからない、(2)もちろん、投資信託をすれば必ず成功するわけではないことに注意すべき、以上2点により、星1つ減らして星4つとするが、お金について勉強するには有力な本であろう。
足りないお金を真面目に考えよう
★★★★★
■竹川さんの本書の中にこのような表現がある。
〜ここから
1960年以降の日本社会は経済全体が成長して、会社の業績もずっと上向きで、
特にサラリーマンは意識してお金を貯めなくても、住居費や教育費を問題なく
払っていくことができました。
人口が増加していたので、公的年金制度もうまく機能していました。
しかし、「経済成長」「人口増」という前提条件が崩れたいま、あまり
考えずに親世代と似たようなスタイルで住宅や教育の支出を積み重ねてい
くと、大変なことになってしまいます。
〜
「生涯に受け取る給付額の総額」から「生涯に支払う保険料の総額」を差し引いた「生涯純受給額」をみると1940年生まれの人はプラス3100万円であるのに対して、2005年生まれの人では、マイナス2510万円。年金の生涯純受給額の差は、実に5610万円になると指摘しています。さらに医療保険と介護保険を含めるとその差は実に8340万円にもなります。
〜ここまで
この一文から始まって、具体的に何をどうすればよいか?
一人ひとりに対しての目標作成までは、具体的なFPに依頼するか、または、
自分でBrakeDownさせるしかありません。
以下の5ステップを行えるか、自分のポリシー?プライド?として行い続けるか
にもよるかなと思います。
■180度、発想を転換しよう!
低成長・人口減の中でも生き抜いていくためには従来の発想を、180度転換する必要がある
1.住宅 ⇒賃貸を選択肢に入れる
2.車 ⇒都市部の人は所有しない
3.保険 ⇒なるべく入らない
4.教育費 ⇒どこまで出すか検討。子供が借りることも選択肢に
5.老後資金⇒公的年金で足りない分を自分で準備する
僕の周りでは、この五ポイントについて成るほどっと思ったり。結構無理していると感じる人もいる。
意外と、うまく言っている人も居る。
小さい出費を、気にすることも必要だけど、大きな出費に対する検討も必要。
もっと言うなら、大きいものも小さいものも全て出費について考える。
誰でもが当たり前のように考えているようで、まったく考えていない人も居る。
お金のこと(モラル)って不思議です。
■本書を読む中で若干違い?「アレッ?」っと思うこと。
・駐車場代が3万円で設定されている。 高くないか?
私の実体験で
⇒ ・横浜でもチョッと田舎に住んでいたとき1万円
・矢向町で1万8千円
⇒ 思うこと、3万円は高めに設定されている