ご存じのように、あべ弘士さんは、動物の自然な生態を見せる工夫で来園者の心をつかんだことで有名な旭山動物園の飼育係をしていた。動物たちに寄せる愛情と、生態についての知識はものすごいものがあるだろう。彼の情熱が、工藤直子さんの好奇心や動物たちへのシンパシーとがぶつかりあって生まれたのがこの詩集だと思う。
この詩集に曲をつけて、新沢としひこさんが歌ったCDがでているが、こちらもおすすめ。岸田今日子さんの朗読もすてき。最後の「たくさんの今日」など、詩集で読むとあっという間だけれど、新沢としひこさんの歌を聴くと、涙がでるほど心にしみる。