ヴェリー・ベスト・オブ・セルジオ・メンデスとブラジル’66
価格: ¥1,835
セルジオ・メンデスの大ブレイクはハーブ・アルパート抜きに語れない。フィリップス、アトランティック、キャピトルに録音した時代のセルメンも音楽的に充実していたが、人気というか、ファンへのアピール度ということになると、66年から始まるA&M時代、つまりハーブ・アルパートのプロデュースによる一連のアルバムがベストセラーを記録した時代が絶頂期だった。ブラジル'66の前身バンドであるブラジル'65はボサノヴァらしいボサノヴァを演奏するバンドだったが、ブラジル'66になるとガラリとバンドのカラーが変わり、それによって60年代後半、爆発的な人気を得た。具体的には2人の女性ヴォーカル(ひとりはのちにハーブ・アルパート夫人となるラニ・ホール)をフィーチャーした爽やかなハーモニーが聴く者を魅了、サウンド的にはアメリカン・ポップスの要素を加えた小気味のいい音が熱烈歓迎された。本作はそうした時代のヒット曲を集めたベスト盤で、ビートルズ、S&G、バカラックの曲も独自のセルメン・サウンドに生まれ変わっている。(市川正二)