M&Aの次のキーワードはPMIと言われているが、これまでPMIに関する本は監査法人やコンサルファームが書いたものしかなく、法律面の問題について詳しく触れた本がなかった。PMIと言えば、経営学の概念であり、弁護士の仕事ではないように思える。その意味では、この本はかなり挑戦的な意欲作であろう。M&Aの失敗事例に共通する失敗の要因をモデル化して、法的な観点から予防策を提言するという、これまでにない視点からのPMI本になっている。会社法や企業結合会計基準といった最新情報も十分カバーされており、M&Aに携わる者として大変参考になる名著と言えよう。