ユング心理学的なアプローチで、一枚一枚のカードが丁寧に解釈されていて、深層心理学のお話が好きな人にはとても面白く読めると思います。同じユング的なアプローチの本で翻訳の出ているサリー・ニコルズ著『ユングとタロット』より、鏡さんのこの本の方が個人的には読みやすく、納得感もありました。
ただわがままを言えば、図像学的な解釈を、もうちょっと突っ込んで欲しかったというのも正直なところです。
しかし、ロマンと輝きを失うことなく、カードの絵柄について、どういったものが影響して形作られたのか考察もされている。実際に占いをする上での参考になる点、イマジネーションをひろげていく上で役立つことが多い。
常に、占星術やタロットの世界で新しい風を吹かせ、冷静でいながら夢を失うことのない著者の真骨頂。文章そのものがとても読みやすく、これからタロットを手にする人に!も!お勧めできる。タロットファン必携の書。