まるで、人間社会そのもの。
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動物写真家の岩合光昭氏がアフリカに居住しながら撮影した野生動物の生態記録である。これを読んで(見て)残酷と思う方もいれば、興味津々に眺める方もいると思う。ライオンがトムソンガゼル幼獣の頭に食らいついている、泥に埋まって命を落としたヌーの肉体を貪るワシ、産み落とす寸前のヌーの子をハイエナが盗み去る話など、動物愛護の方々には驚愕のシーンの連続である。
しかし、これが動物の世界の現実である。
生きるために、他者の命を貪り食わなければ滅んでしまう動物たちの姿である。
この作品の中で岩合氏が、自身を動物の世界におけるひとつの動物の異種として物事をみていることである。
時として人間を襲うライオンであるが、その百獣の王ライオンの子どもたちもハイエナの餌食となるそう。
人間は異種ということや主義主張が異なるといって戦争をするが、あれは動物としての抑えられぬ本能で闘っているのか、と思ってしまう。
そういった食物連鎖ではないが、自然環境も含めてのことを考えていると、人間社会での揉め事や争いは仕方の無いもの、そう思えてくる。
なんとか丸く治めようというより、なるようにしかならないと時間に任せておけと開き直れば、変に悩まなくともよいのでは。
感動しました!
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今まで動物を人間の目線で見ていたけど、見方を変えさせてもらいました。
人間のエゴと自然の動物、考えさせられます。
すばらしいです。
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たぶん子供向けに書かれたものだと思いますが、大人が読んでもとても面白いです。岩合さんの著書の中で一番好きな本です。文章もすばらしいのですが、やはり写真が最高です。アフリカの生きものたちのようすが強烈に伝わってきます。何度読み直してもあきません!