類書をはるかに超えてゆく、本当に素晴らしい本である。
★★★★★
本当に素晴らしい本である。
なぜなら、この本の著者の論述は、一貫して、
類書より1つも2つも上の次元を見据えて展開されているからである。
脳力が高まれば、幸せになれる、
では、そもそも幸せとは何なのか、
その幸せな人生とは何のためにあって、
具体的にどういう形をとって進んでゆくのか・・・
この本の著者の論述は、
常に、そのあたりへの問題意識を念頭に展開されている。
目先の損得勘定で右往左往しがちな類書が多い中、
まさに括目すべき本である。
要するに、この本の著者は、
すぐれた脳科学である上に、すぐれた哲学者なのだろう。
脳科学的知見からの論述が、
極めて論理的明快さをもって進められているのは勿論のこと、
様々な社会学的・実証的データを用いつつ進められているのも、
とても説得的で、読み応えがある。
各章の扉に掲げられている古今東西の名言も、味わい深いし、
文学や音楽への著者の造詣の深さにも、関心させられる。
どの章からパラパラ読み始めても、論述にグイグイ引き込まれ、
1つ上へ、2つ上へ、1歩前へ、2歩前へと、
自分の進み得る在りようの具体的なイメージを抱かせられる。
著者自身の経験を惜しみなく提供してくれている点も、
著者の暖かい人柄と、
この本を通して社会に貢献しようとしておられる使命感が表れていて、
とても好ましく感じられるし、
とにかく、読んでいて、
なるほどと思わされるし、面白いし、楽しい!
そして、この本、
終わらないのである。
一通り読み終えた時に、読む前とは違う「新たな自分」がいて、
その「新たな自分」が再度この本を読むと、
また新たな展開が起こって「さらに新たな自分」へと進む・・・
そんなふうに、
繰り返し繰り返し、創造的・発展的に、読者を導いてくれる。
類書をはるかに超えてゆく、本当に素晴らしい本である。