全てのマイノリティーへ
★★★★★
涙が落ちるのを抑えるのがやっとだった。
「縫製人間ヌイグルマー」第一七回 反撃高円寺作戦。
電動車椅子の少年テツとガマ安連のゾンビとの戦い。
これはすべてのマイノリティーへの賛歌である。
先天的障害がある者、過去の悲劇や社会に順応できなくなった者、他者とのコミュケートがうまく取れない者、社会的敗北者に対する応援歌である、と僕は思う。
僕は、大槻ケンヂは天才だと思っている。
コミカルな表現、ときにSF的、アクション映画的な非現実的表現と、彼が紡ぐ言葉、台詞の切なさ、いやというほど救いのない現実。真逆のものを絶妙のセンスで混ぜ合わせる。
可笑しく、残酷で、哀しい。
オーケン印100パーセント!
僕的にいままで読んだオーケンの著作で一番面白かった。
読んで損はない、と思う。
微妙なズレ
★★★★★
ヒーロー物なのにカッコ良くない。むしろなんか気持ち悪い。敵キャラも全員なんか気持ち悪いんです。
感情移入が頂点に達しようとすると、妙な言い回しや、間抜けな名称が現れ華麗に足払いをする、のに最終的になぜかカッコいいと思ってしまう巧妙な文章。
話そのもののおもしろさだけでなく、アニメや特撮物のエッセンスのオマージュとパロディの境目を行ったり来たり。それだけではなくて、妙に納得させられる人生観があったり。
本当にいろんな物が詰まった作品だと思います。
高尚な文章で普通の人には出来ないだろうことで読み手を鼓舞する小説も有りですが、無理さ加減に気づくとすぐに消えてしまうそういうがんばれそうな気持ちではなく、なんだか地道ににがんばれそうな自分を見つけられそうな、そんな話かなと感じます。
なんか、凄い作家になっちゃったなぁ。そんな気持ちにならざるを得ない変な小説です。
文章そのものがうまく、昔の勢い100%の作品からは想像できないクオリティですよ。
胸を熱くさせるヒーローの話
★★★★★
あの帯の熱い文句に胸をうたれ本書を手にしました。内容も帯の文句に偽りないものです。熱い話に飢えている人は是非読んでほしいです。ダ・ヴィンチ連載時にあった挿絵は無いですけどもしかしたら文庫本に付くのかもしれません。
これだ!!
★★★★★
SF? ファンタジー? スプラッタ? いいえ、違います。飽くまでヒーロー物なのです。王道である少年少女が困難に立ち向かっていくうちに成長を遂げていくという、イニシエーション的成長を描きつつも、オーケンならではの、綿いっぱいの愛が詰まった物語なのです。不覚にも私は随所随所で涙をこぼしてしまいました。決して万人に薦められるものではありませんが、それこそがオーケンワールド。表紙絵に誘われた方は是非。
荒唐無稽な物語
★★★★★
彼らは闘いの中で友情を深め、やがて家族と呼ぶべき共同体へと化していく。(原文から引用)
一種異様な登場人物が、それぞれの信念を胸に秘め、戦っていく物語です。
ゆるやかだった前半から一転して、戦闘の続くラストまでの戦いは、手に汗握るものがありました。
タイトルにあるとおりに縫製人間ヌイグルマーとは何か?
それはハッピーエンドではけしてない、終わらない戦いの物語にふさわしい終わり方をする小説をさします。
けして青春小説でも、大槻ケンヂの描いた狂気の物語でもありませんが、
読む人に勇気を与えてくれるいい小説だとわたしは思います。
全てのマイノリティーへ
★★★★★
涙が落ちるのを抑えるのがやっとだった。
「縫製人間ヌイグルマー」第一七回 反撃高円寺作戦。
電動車椅子の少年テツとガマ安連のゾンビとの戦い。
これはすべてのマイノリティーへの賛歌である。
先天的障害がある者、過去の悲劇や社会に順応できなくなった者、他者とのコミュケートがうまく取れない者、社会的敗北者に対する応援歌である、と僕は思う。
僕は、大槻ケンヂは天才だと思っている。
コミカルな表現、ときにSF的、アクション映画的な非現実的表現と、彼が紡ぐ言葉、台詞の切なさ、いやというほど救いのない現実。真逆のものを絶妙のセンスで混ぜ合わせる。
可笑しく、残酷で、哀しい。
オーケン印100パーセント!
僕的にいままで読んだオーケンの著作で一番面白かった。
読んで損はない、と思う。
微妙なズレ
★★★★★
ヒーロー物なのにカッコ良くない。むしろなんか気持ち悪い。敵キャラも全員なんか気持ち悪いんです。
感情移入が頂点に達しようとすると、妙な言い回しや、間抜けな名称が現れ華麗に足払いをする、のに最終的になぜかカッコいいと思ってしまう巧妙な文章。
話そのもののおもしろさだけでなく、アニメや特撮物のエッセンスのオマージュとパロディの境目を行ったり来たり。それだけではなくて、妙に納得させられる人生観があったり。
本当にいろんな物が詰まった作品だと思います。
高尚な文章で普通の人には出来ないだろうことで読み手を鼓舞する小説も有りですが、無理さ加減に気づくとすぐに消えてしまうそういうがんばれそうな気持ちではなく、なんだか地道ににがんばれそうな自分を見つけられそうな、そんな話かなと感じます。
なんか、凄い作家になっちゃったなぁ。そんな気持ちにならざるを得ない変な小説です。
文章そのものがうまく、昔の勢い100%の作品からは想像できないクオリティですよ。
胸を熱くさせるヒーローの話
★★★★★
あの帯の熱い文句に胸をうたれ本書を手にしました。内容も帯の文句に偽りないものです。熱い話に飢えている人は是非読んでほしいです。ダ・ヴィンチ連載時にあった挿絵は無いですけどもしかしたら文庫本に付くのかもしれません。
これだ!!
★★★★★
SF? ファンタジー? スプラッタ? いいえ、違います。飽くまでヒーロー物なのです。王道である少年少女が困難に立ち向かっていくうちに成長を遂げていくという、イニシエーション的成長を描きつつも、オーケンならではの、綿いっぱいの愛が詰まった物語なのです。不覚にも私は随所随所で涙をこぼしてしまいました。決して万人に薦められるものではありませんが、それこそがオーケンワールド。表紙絵に誘われた方は是非。
荒唐無稽な物語
★★★★★
彼らは闘いの中で友情を深め、やがて家族と呼ぶべき共同体へと化していく。(原文から引用)
一種異様な登場人物が、それぞれの信念を胸に秘め、戦っていく物語です。
ゆるやかだった前半から一転して、戦闘の続くラストまでの戦いは、手に汗握るものがありました。
タイトルにあるとおりに縫製人間ヌイグルマーとは何か?
それはハッピーエンドではけしてない、終わらない戦いの物語にふさわしい終わり方をする小説をさします。
けして青春小説でも、大槻ケンヂの描いた狂気の物語でもありませんが、
読む人に勇気を与えてくれるいい小説だとわたしは思います。