もろにジョニー・サンダース＆ザ・ハートブレイカーズ、あるいはフレイミン・グルーヴィーズを思わせるルックス通りの音には、思わず笑ってしまうけれど…。たった2枚のシングルを発表しただけで大メジャーのキャピトルと契約したニューヨークの4人組スター・スパングルスのデビュー・アルバム。往年のニューヨーク・パンクの息吹を現代に伝えるロックンロールにシーンを切り開いていくような斬新さはない。それをレトロだと批判することはたやすいだろう。しかし、この連中は（いい意味で）B級バンドとして、彼らと同じようにロックンロールを愛するファンに支持されつづけるはずだ。ジョニー・サンダースとウェイン・クレイマーが組んでいたギャング・ウォーやフードゥー・グールズの曲を取り上げるセンスが心憎い。そう言えば、来日公演ではフレイミン・グルーヴィーズもカヴァーしてたっけ。そういいう名前にピンと来る人はぜひ！（山口智男）