宗教研究とは?
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この著者であるヨアキム・ヴァッハの翻訳や研究は少なく、その意味では貴重な訳本だと思います。彼の理論は、今日の宗教学にてすでに化石扱いとなっていますが、かなり誤解されていると思います。この本より約35年前に書かれた彼による『宗教学』(訳本あり)を読んでその視点からこの本を読めば、ここに書かれていることの意味がよく分かるのではないかと思います。
ついでに言えば、キタガワによる序論は体よくヴァッハの人と思想をまとめてあるし、巻末のガードナーによる書き下ろしの解説も非常に優れている。その意味では、「ついで」というのは失礼に当たるかもしれない。