カーの新たな主張
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日本語版では、マスコミ受けを狙ってかクラウドという言葉を使っているが、原書では一切その様なことはない。ITを巡る大きなパラダイムシフトを表す状況をBig Switchとして題名に使用しているのであり、現在の日本でクラウドという言葉を付けると技術的、商業主義的な胡散臭さを感じてします。
著者のこの本での主張は、以前話題になった「Does IT Matter?」の延長線上にあるもので、その当時は賛否両論いろいろ意見があり、関連本も多数出版されたが、それから約5年、新たなITの動きを捉え、彼の主張の本質がより明確化されたものと理解すべきである。その意味で、本書だけでも十分彼の主張は理解できるが、「Does IT Matter?」も是非合わせ読んでほしい。
日本語版のコメントの中で出ていた様に電力発電のパラダイムシフトの例を使った説明の枠組みは非常に示唆的でわかりやすいものになっている。