前作MissingBlueが、商品と作品を天秤にかけ、ギリギリのところで作品をとってしまった感があるのに対し、きっちりと商品に仕上げられていると感じられた「作品」。
全体的にテンポ良く物語が進行してゆく。総プレイ時間100時間にもなるかという前作と比べるとボリューム的に物足りないところもあるが、テーマ的にも深みを増し、それでいて前向きでいようとしており、好感が持てる。
新しくキャラクターデザインに起用された中村水軍は、前二作の渡辺明夫と比較される点であるが、個人の好み次第だといえる。(文中敬称略)
その軽快なアクションのおかげてストーリーを読み進める間に退屈するような事はありません。
また、ただのADVとは異なり、リアルタイムRPGの体をとったバトルパートが導入されており、マンネリ化したADVゲームに飽き飽きしていた人にとっては新鮮であると思います。
しかし、バトルを楽しむつもりでプレイするにはステータスが固定、パーティーが固定といった部分がちょっと物足りないかもしれません。
何より、ストーリーが思ったより早く終わってしまうところが残念です。
とても面白い登場人物が揃っているのに、そのキャラクターに親しむには各シナリオの尺が足りないと言わざるを得ないでしょう。
バトルパートという新たな挑戦と、全体的な品質を合わせて考えれば申し分ないですが、ボリュームの点を考慮すると星3つほどではないかと思います。次作に期待したい所です。