“善意あふれるおっちょこちょい”という意味において、主人公側も悪役側も等しく危険な存在であるのに、そういったことをキレイに無視して、イデオロギーと感情だけで動く彼らには人格が感じられません。それが作品をひどく薄っぺらなものにしているように思います。
茅田氏の他作品や筆力を考えれば、娯楽活劇という範疇にあってそのテンポを損なうことなく、魅力的な人物を描くことは十分可能なことに思えます。(いや、確かに大変なことだとは思いますが、一読者としては大いに期待するところです)
表現の一つ一つを見れば!手慣れていて笑いも誘い、実は最後まで楽しく読ませていただいたので、星2つはきつい評価かもしれませんが、あくまで氏の他作品との比較の中での評価です。まだ物語り半ばで(先日続編も出たようです)あるようなので、これからに期待します。
そんな中でタダの人間に過ぎないキャサリンがどう立ち回るのか、ハラハラドキドキしっぱなしです。
是非下巻を一緒に用意して読むことをお薦めします(笑)