翻訳はスペイン語部分をカタカナのルビで表示しているので、スペイン語を知っている人はルビを読むことで楽しめる。
この「自爆政権」はスペインという多民族国家が必然的に抱える民族間の衝突とさまざまな民族の思惑、軍事政権樹立を非公式に阻止したいアメリカ、法律と倫理に揺れるポール・フッドの苦悩を軸として展開していきますが、後のシリーズで活躍するエイディーンやマリア・コルネハが初登場するなど、シリーズち?愛読者は必ず読まねばならない一編になっています。
クランシーの作品は軍事・情報作戦を単純に扱うだけでなく、それに関わる人間の苦悩が実によく描かれています。他の軍事モノの小説に飽きた方にぜひお勧めします。