エディターレビューにもあるように、 未明混沌の刻の精進のくだりが出色。 この詩人のいのちのほとばしりは、ひとのこころを 慰める、という域をすでに超えている。 肉体をもち、われわれと同じ空気を吸い水を飲む 人間ながら、たましいは半分宇宙に招かれているような カミのくにのことばを人間のことばに翻訳する詩人。
地べたをはいずりまわりのたうちまわって苦しんで 生きるわれわれを、あわれと思うカミのこころあり。 カミの世界に招かれながらなお、ひとの憐れを 慰め励ましつづけたいと願う詩人あり。 詩人の鬼神の精進に、おのれの不甲斐なさをあらためて 思い知るにんげんが、あり・・・。