アメリカ社会の闇を見る
★★★☆☆
「The Firm」(邦題:法律事務所)のジョン・グリシャムの作品。若手エリート弁護士がひょんなことから有名法律事務所を辞め、社会の最下層のホームレスのために立ち上がるというストーリーだ。
ずいぶん前に買ってしばらくほったらかしていたのだが、ふと目についたので一気に読んだ。グリシャムの他の作品のような手に汗にぎるスリリングな展開を期待して読んだので、読み終わったときはちょっと拍子抜けした。書店ではミステリーやサスペンスに分類されていることが多いようだが、ミステリーというよりは社会派小説といった方が良い。
アメリカの深刻な格差社会の闇をかいま見ることができる重い内容だ。将来有望な弁護士ブロックを下層階級に目を向けさせるきっかけを作った人物は心に傷を負ったベトナム帰還兵で、登場するホームレスの多くは黒人かヒスパニック系だ。日本で進行しつつある格差社会とは深刻さの度合いが違う。もちろんこれはフィクションであり現実にこんな事があったら結構な大騒ぎになるんだろうけど、そこに描かれている背景はアメリカ社会の現実だ。これが「自由の国」アメリカが目指した社会かと思うと暗澹たる気分になる。
先頃アメリカで医療保険改革法が僅差で可決されたが、金持ちの反対が強かった。それに伴う増税から逃れようと高所得者層はあの手この手で抜け道を探っているそうだ。職を失うのも病気になるのも貧乏なのもみんな自己責任というわけだ。それが「自由」の代償なのだろう。
ブロックの古巣のリッチな弁護士達が、最後にはブロックに共感して下層階級支援の輪を広げていくという結末には救われる。
Street Lawyer
★★★★☆
著者の弁護士時代の知識と経験をフルに活用して、社会悪を暴き正義を貫く姿勢を、差別下にある不遇の一弁護士を通じて描ききっているのは、現役時代の著者が本来的にやりたかったことの代償行為かとも取れるほど迫力がある。描写の筆致はいつものように簡潔で、畳み込むようにスピード感があり、読みやすく、楽しめる。やや現実性に欠けるストーリーの運びの部分はあるが、著者の意図するところを善としよう。
アメリカ格差社会の実情を知ることができる
★★★★★
squatterと言う単語を始めて知りました。使われていない建物に不法に侵入して住み着いている人々を言います。アメリカ社会で、黒人がどんな立場に置かれているか、それをかなり正確に描いた作品だと思います。
社会派小説
★★★★☆
主人公は名門法律事務所で働いています
給料良し
待遇良し
何の不自由もありません
ホームレスの人質になったことで正義に目覚めます
良く出来た作品ですが非現実的ですね
本来、恵まれたものは恵まれてないものに冷淡なのです
こうあって欲しいという寓話と考えると納得します
*ペンギンアクティブリーダーシリーズはいい感じです!
★★★★★
まず、最近出始めたペンギンアクティブリーダーシリーズはいい感じです!
朗読CDまで付いて1000円前後の値段でお買い得だし、
朗読は大変に聞き取りやすいです!
英語の勉強にはうってつけのシリーズとして今後、流行って行くのでしょうね〜!
ところでこのストリートローヤーも、要約版ですが充分に楽しめました!
本物の洋書を読めるまでの橋渡しとして役立てていきたいと思います。
この他に、赤毛のアンとマザーテレサをアクティブリーダーで読みました。