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Child 44

価格: ¥663
カテゴリ: マスマーケット
ブランド: Grand Central Publishing
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会話が平易ですが、固有名詞と背景知識に注意 ★★★☆☆
 内容については翻訳版のレビューに任せるとして、英語で読んでみた感想を述べたいと思います。レビュアーの英語力はシドニー・シェルダンなら何とか読めるけれど、ステーブン・キングはかなり苦しい英語読解力です。多読用にと考え本書を選びました。
 本書で特筆すべきは会話文が非常に平易であること。これはロシア語を英語に翻訳した感じを出すため、文語体に近い感じです。「キミハボクノコトヲアイシテイルトイウケド・・・」という調子で登場人物達が喋ってくれるのは日本人には、ありがたいですね。I've got it とか nope ! などという表現は見あたりません。
 しかし、注意する必要があるのはソビエトの歴史と文化です。「コルフォーズ」「コペイカ」なんていう単語は、知識として知っていますが、初めて辞書を引きました。物語のモチーフとも言える冒頭のエピソードは本書の展開に重要な役割を果たしているのですが、ここもスムーズに読めず、かなり苦労した記憶があります。
 日本語はカタカナ表記があるので便利ですが、突然「Stalin:スターリン」なんていう単語が出てくると、「えっ」てな感じで、ひっかかってしまいまます。従って、最初からすらすらとは読めない。しかし、主人公の逃亡劇が始まる後半からの怒濤の展開に思わず辞書そっちのけでページを繰ってました。
 途中で気がついたのですが、非英語圏を舞台にして外国語の翻訳口調で登場人物に喋らせるのはシドニーシェルダンがよく使う手法ですね。
 多くの読者を獲得するために計算されているなという感じがします。それが非英語圏の人間にとって読みやさを提供してくれているなら、英語の多読教材として有効活用させていただきたいと思います。従って第二作の「The secret speech」も次に読む本のターゲットですが。。しかし、ここで一休み。
 北上次郎風に言うと「あるものは家族、あるものは国家、守るべきものを持った男達の熱い想いに当てられると、一休みしないと体が持たないのだ」。
重く、悲しい物語 ★★★★★
こんなに悲しい、そして重い物語はめったにありません。最後まで一気に読まずにいられない page turner であることは間違いないのですが、これをエンターテインメントとか、サスペンス小説とかいう言葉でくくるのには、どうしても抵抗がある。連続殺人犯というのは、読者にこの上なく嫌悪感を催させるように描かれるのが普通なのに、このラストシーンはどうでしょう。読者は、彼を憎んだらいいのか、彼に同情したらいいのか、わからないままこの本は終わりを迎えます。なんだか、人間というのが無性に悲しい生き物に見えて、しかたがない、という気にさせる、類例のない作品です。
四面楚歌の状況での捜査は衝撃のラストを迎える ★★★★★
 スターリン時代を舞台にした、実在の連続殺人鬼をモデルにした物語である。主人公は対ドイツ戦争の英雄であり、秘密警察の捜査官であるLeo Demidovである。ミステリーやサスペンスは主人公が困難な状況にあればあるだけ、緊張感が高まる。その意味では理想的な設定かもしれない。レオが戦う相手は殺人者だけではなく、犯罪の存在自体を認めない、巨大な独裁国家とその秘密警察の組織である。しかも欧米の警察ドラマのような、熱心な捜査官の行動を上司が妨害するというような次元ではない。
 共産主義の作り上げた理想国家には凶悪な犯罪などは存在するはずがない。これが国家の公式見解で、それに反することは、命の危険を伴う。しかし子供たちが次々と猟奇的な殺人の犠牲になっていくことをLeoは見て見ぬふりはできない。真犯人を捕まえるためには、彼は両親、妻、そして自分の命を危険にさらすしかない。
 この小説では、スターリン時代の恐怖政治が克明に描かれている。一旦疑われたら、それだけで命を失うことがある。また自分の忠誠心を示すためには、家族であっても告発しなければならない。また自分が国家に反することをすれば、家族も犯罪者として扱われる。
 やがて真犯人を追い詰めるにつれて、Leoの生い立ちの秘密が明かされていき、衝撃のクライマックスへとつながる。
 英語は読みやすいし、ストーリーもテンポが早いから途中で止めることは難しい。
最後に、救われて、 ★★★★☆
久しぶりに昔のソ連の全体主義、スターリニズムの恐ろしさを認識した作品。といっても、もちろん、エンターテイメントでおもしろいです。主人公のLeoの所属がState Securityとなっているのですが、これが、どんな組織かなじみがなくて、後でKGBになる組織です。日本語訳だと、どう訳すのでしょう。最初からずっと、救いのない雰囲気だったのが、最後に、救われて、続編も出そうで私的にはよかったです。巻末にスターリン時代の統計が付録で付いていて、これも興味深い。2回以上読んだものを星5つにしてるので、4になりました。
どんどん読み進めます ★★★★★
ロシアで実際におきた、
53人もの子どもや女性を殺害したAndrei Chikatilo事件に着想したスリラー小説。

全編に横たわるのは、スターリン体制化のソ連の出口のない暗闇の世界だ。
飢餓、厳しい粛清、誰も信じることのできない社会。

Leoは、眉目秀麗な国家保安省の捜査官。
彼は、あるスパイ容疑者の拘束に成功する。

ところが、冷酷かつ狡猾で、執念深い部下の策略にはまり、妻ともども地方の民警に追放される。

ところが、そこで猟奇的殺人事件が発生する。
その状況は、かつてロシアの中心にいた頃に彼自身が処理にかかわった“事故”に酷似していた。

捜査するうち、これがある特徴的な連続殺人事件であることが判明していく。

しかし、“西側に毒されていない国家、ソ連”はそのような殺人事件を認めたくない。
その中で、どうしたら殺人をとめられるのか。

スターリン時代の苛烈な世界に、Leoの出生も交錯した勢いのある小説。

筆者自身、“24”に触発されたというだけあって
最後まで飽きさせない手法はすごい!