さすがに、ラストのVFXは、今見ると残念な出来栄え
★★★☆☆
ジョン・フランケンハイマーといえば、「続・フレンチコネクション」で見せた
ドキュメンタリーたっちの演出が巧み。
このトマス・ハリス原作の「ブラックサンデー」でも、ラストのクライマックスに
至るまでは、かなりスリリングな出来栄えで、これは実に面白い。
ただ、肝心のラストのクライマックスシーンが、公開当時の評判は知りませんが、
今見ると、かなり、ちょっと「ちゃっちい」。あの程度にするんなら、いっその
こと、実物をフィールドに突っ込ませて撮影するくらいの、
モノホン志向が欲しかったな。予算の関係かな。
また、飛行船にブツを積むシーケンスも、かなり展開粗すぎで、
ちょっとB級な感じは否めない。
でも、1970年代のこの手のパニック映画の出来栄えからみると仕方ないでしょうか。
まあ、面白いことは面白いので、観て損はないです。今はなき、名優、ロバート・ショー
の押さえたニヒルな名演技が、ハードボイルドで、カッコイイ。
デジタルでないからこそのスリル
★★★★★
クライマックスの盛り上がり、
パニックぶりはすさまじいですね。
何でもCGになってしまった今だからこそ新鮮です。
ただ社会背景がわかっていないと
誰が何のために戦っているか全く解らないと思いますので
予習が必要な映画です。
私は犯人達の成功をありえないと思いながらも願って観てしまいました。
みんな褒め過ぎ、B級、地味。
★★★☆☆
ま、確かに特に前半は結構、リアリティがあり、丁寧には作ってんだけど、主役陣にどうも花がないんだよなあ。やっぱロバート・ショーって悪人顔だし、細かい演技もそれほど出来ないし、本作のようなトップ主役は無理だよなあ。やっぱ『007ロシアより愛をこめて』、『サブウェイ・パニック』、『ジョーズ』などのコワモテの準主役ってのがピカイチだね。
テロリストの女アラブ・ゲリラが、ベトナム帰還兵の飛行船パイロットの協力を得るまでの経緯が描かれていない点(あんな都合の好い協力者いるかよ!)と、後半の爆薬を飛行船に取り付ける段取り(あんなにスイスイ行くのかよ!)に、どうもご都合主義を感じた。
殆どのレビューが絶賛してるけど、この頃(1970年代)のパニック映画って、意外とレベル高くて、本作だけが特に名作って事は無い。やはり、『ポセイドン・アドベンチャー』、『タワーリング・インフェルノ』に比べると、B級感は拭えないし、ストーリー展開の妙では『サブウェイ・パニック』に劣る。
それに近年の『ダイハード』シリーズや『トゥルー・ライズ』などに比べたら、特撮やアクションシーンなどでやはり見劣りがするだろう。
結局、上映中止により「幻の名作」になったことで、かえって虚名を高めたのではなかろうか?ま、テレビの洋画劇場でたまたま視たら「面白かったな」ってなるだろうが、今じゃワザワザ映画館で観る程のものでもない。レンタルで十分では?
諸般の政治事情から日本で上映禁止になった快作
★★★★☆
原作は「羊たちの沈黙」で有名なトマス・ハリスで、監督は「グランプリ」、「セコンド」、「大列車作戦」、「ホースメン」、「フレンチ・コネクション2」、「殺し屋ハリー・華麗なる挑戦」、等の名作、話題作を作ってきた、今は亡き巨匠ジョン・フランケンハイマーが担当。今、現在でもなお世界中で起こっているテロリスト事件を背景(題材)にイスラエル部隊VS黒い9月と呼ばれるアラブ・ゲリラ組織との壮絶な戦いを描いている。最初から迫力のある展開を見せており、イスラエル部隊の隊員達が、黒い9月のアジトを襲撃する場面は凄みがありパンチが効いている。そしてそのイスラエル部隊の隊長である、ロバート・ショウ演じるカバコフ少佐がアラブ・ゲリラ組織の女幹部ダーリアを殺さずについ見逃してしまい…。このせいで後からトンデモない結果をもたらす事になる…。そしてダーリアはアメリカに潜入してしまう。さらにダーリアはテレビ中継用の飛行船の操縦士を演じるブルース・ダーン扮するマイケルがベトナム後遺症で精神が普通ではない事と反米感情を利用し、マイアミで開催される、スーパーボウル試合当日に大統領と約8万の大観衆がいる大スタジアムを飛行船から恐るべき大威力の殺人兵器でアメリカ市民大量虐殺と言う計画を進めていた!。とにかくこの作品は最初からクライマックスまで全てが見せ場の連続で緊張感が半減される事が全くなく、社会情勢問題も盛り込み、単なる子供騙しのような作品に作られていないうえに現実味を与えるほどリアルな展開となっている。無論、娯楽作品としても理屈抜きに文句なく楽しめる。冒頭のアラブ・ゲリラ襲撃場面を含めて、中盤戦のFBIとカバコフ少佐率いる隊員達が調査協力しての追跡戦もサスペンスの連続で退屈させない。そして後半は殺人兵器を積んだ飛行船をヘリコプターで追撃する冒険的見せ場の強烈でダイナミックな大アクションを展開して行く!。特に飛行船が大スタジアムのスタンドの上をギリギリに入り込んでくるシーンなど鳥肌ものである。脚本、アクション、配役、音楽、重量感、そして、演出を含めた全てにおいて無駄がなく…。だが唯一の大不満は我が日本で上映中止になった事です。本来なら☆・5が妥当ですがそのために☆・1つマイナスに。しかしこの映画には罪はありません。大スケールの超A級の大快作です!。
文句なしの傑作
★★★★★
非常に面白い映画です。監督はたしかユダヤ系の人ですが、イスラエル、パレスチナどちらに加担するわけでもなく、公平な描写で、両者の駆け引きを描きます。この監督は、がっしりした画面構成がいいですね。DVDは、リーフレットも音声解説も日本語吹き替えもありません。ビックカメラでは1200円でポイント加算でした。