「ひとり暮らし」の人生設計 (新潮OH!文庫)

独身生活を、覗かせてもらっているような、背徳的な楽しさ ★★★☆☆

人生設計というタイトルは大げさで、独身男女の往復書簡による、軽い雑談話のようなものです。本書から何か学ぼうとすると、期待を裏切られますが、通勤などで暇なときにサッと読む、時間潰しにはちょうど良く、私は楽しめました。

40代前後の男女、それぞれの独身生活を、好奇の目で覗き込むような、背徳的な楽しさがあります。

元銀行員の横田氏の著作は、以前読んだことがありますが、本書は、そのエキセントリックな内容と語り口もあって、笑えます。訪問販売撃退対策として、大きなキューピー人形を、引き抜いた電源コードで柱に縛り上げるなんて、普通はしませんよねえ（笑）。

今後、生涯独身者や、孤独な若者、老人が増えていく現代の日本において、老人への仲間入りをする横田氏と岸本氏の、さらなる対談集を楽しみに期待しています。

普通の女性作家と男性作家の独身生活エッセイ ★☆☆☆☆

エッセイの内容も他の独身生活話とあまり変わりません。男性の独身作家の生活がキワモノっぽく、へえ〜とはなりますが。特に人生設計についての良い情報はなかったかな、と思います。文章も特に面白くありません。2000年発行で内容も古くなっている感じがしました。

いろいろあって、いいじゃない☆ ★★★★☆

結婚しない理由は人それぞれ。その日となりに人生を歩んできた結果ともいえると思うのです。岸本さんも横田さんも、きちんと足を踏みしめて生活してる感じが素敵だなーと思います。私なんてまだまだだなぁ･･･と自分に照らし合わせて反省することしきりでした。
お二人が、必ずしもシングルの代表ではないことを懸命な読者諸氏はおわかりのことと思うので、なるほどな〜･･･と感心してみたり、そういう考え方もあったか！と発見する楽しみを味わってみてはいかがでしょうか？

本音と弱音と ★★★★★

彼女達が決して独身代表ではないですし、
横田さんはやや極端か？と思いますが（周囲の独身男性との比較）、
独身というだけで、なぜかこの国では一人前に扱われない経験が私もありますので、そういったことを書いて頂くだけで、心強いです！

岸本さんの考え方と行動は、マイペースで整理されていてわかりやすい。女性として共感する部分も多い。

横田さんの行動は理解に苦しむ部分もありますが、そういうのもありかな－と徐々に納得できました。
彼もだんだん素直になり(？)多少弱音も吐いて、日本で年を取っていく独身男のちょっと辛い部分が垣間見えます。

独身者はたくさんいるのですから、より住み易い大人の社会ができるといいなと思います。
年を重ねたらまた二人で対談してください。

二人のキャラクターが興味深い ★★★☆☆