子供の鉄道安全への貢献と自動車危険文化への警鐘
★★★★★
子供の鉄道安全への貢献と自動車危険文化への警鐘ともいうべき、ダールの傑作の翻訳。
元は、文学作品ではなく、イギリスの鉄道会社の安全を呼びかける資料。
子供向けのまとまった文章としては、最後のものかもしれないとのこと。
これをしてはいけないとか、こうしなさいと命令するのが嫌いなダールが、
子供が鉄道に対して安全でいるために、やっていけないことを命令している。
その言い訳とも、その視点の提示ともいえる文章の中で、
鉄道安全への貢献は、自動車危険文化への警鐘にもなるという視点を示しているような文章がある。
長距離の移動は、危険な自動車ではなく、鉄道を勧めたいためにこの資料を作ったように読めます。
マチルダの文脈を壊すことなく、鉄道に対する安全に対応するための守って欲しいことを書いています。
ダールに依頼した、イギリス鉄道会社の安全に対する思いの強さを感じることができますし、ダールの子供が安全でいられるためなら、自分の主張は曲げるべきだとの思いの強さも感じることができます。
最後にマチルダの一言があると嬉しかったかもしれません。
どういう一言かは、すでにダールが亡くなられたので、分からないのが残念です。
もし、この本が出ているのをご存命中に知ったら、メールを打って、マチルダの一言をもらおうとしたと思う。