その方法である「1人ビジネス」とは、自分1人でできる範囲で、かつ「会社を大きくしない」というスタイルをとるもので、「個人」「独立」「副業」といったイメージのSOHOとは違うという。著者は、組織経営者が抱え込むストレスを多数浮き彫りにし、サラリーマンがいきなり経営に手を出すのは危険だと訴える。それだけのストレスで会社から1000万円をもらっている人がいますか、と問うのだ。
では、「1人ビジネス」はどう始めるのか。著者は、凡人が世の3%の天才と同じように決断するのは無理だとして、負担の少ない決断の「仕掛け」を紹介する。さらにセールスポイントの棚卸や取り柄で業種を選ぶ方法、「戦略企画書」や「売れる仕組み」のつくり方など、各プロセスで「凡人ならでは」の視点を加えたノウハウを提示する。
営業経験は必要か、労働時間は、人脈の広げ方は、家族の説得のしかたは…など、全体に細かい部分に目配りが利いており、会社勤めに慣れた心理や不安によくこたえている。肝心の「1000万円」のノウハウは「考え方」にとどまるもので、ややトーンダウンの感もあるが、収入を膨らませる働き方の形がよく理解できる。とくにホームページ活用のアイデアは多彩で、「1人」を支える武器になるだろう。(棚上 勉)
サラリーマン・副業(週末起業)、1人ビジネス、さらに1人社長・
組織社長という形態があって、それぞれを隔てる河がある、という
説明は結構面白いです。
商売のやり方というよりは、心構えや心理的なステップの大切さを
説いた、類書には少ない、面白くて、ためになる本です。
ちょっと、舌っ足らずな個所も散見されますけど、全体的には
わかりやすい内容だと思います。
後半、家族の納得を得る方法、人脈を「深堀」する方法、リアルと
バーチャルの商売の環をまわす方法など、視点がユニークです。
もう一回、読んでみようっと。
しかし、残念ながら『説得力』を感じることはできなかった。
著者が言っていることがわからないではない。しかし、もっと上手に説得してくれないとなかなかその通りに行動しようとは思えない。