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The Dollar Crisis: Causes, Consquences, Cures / Revised and updated

価格: ¥3,796
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Wiley
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アメリカの栄華もいよいよ終焉近し? ★★★★☆
著者のR.ダンカンは、いずれ近い将来、ドルの信頼が失われ、その事が引き金となり、
世界不況が始まるという。なぜならば、アメリカの経常収支赤字が年間5,000億ドル、
累計で2兆3,000億ドル(日本円で270兆円)という史上最大の不均衡がこのまま
未来永劫続く事はありえないからだ。輸入超過大国のアメリカという存在により、
貿易黒字国は決済通貨である外貨ドルを受け取り、それがそのままブーメラン効果
としてアメリカへの株式投資、債権投資、直接投資として循環し、空前の株ブームや
経済成長を可能にした。そして、資産バブルにより際限の無いアメリカ人の消費を
支えていたという構図である。しかし、赤字を埋める為、実体の裏づけも無く、
輪転機でドルを刷りまくれば、やがて破綻が来るのは必定である。
このあたりは国債を発行し続ける借金漬けの日本国と全く同じ構造である。
いずれにしろ、ドルの信用が失墜することをきっかけに、景気が冷え込み、
アメリカ依存の輸出国は大打撃を受け、世界経済は不況に突入するという
論証は分かりやすく、納得出来る主張である。
考えたくないシナリオだけど・・・ ★★☆☆☆
アメリカの赤字垂れ流し体質が世界経済の成長を牽引してきたのは確かだと思うが、これが一気に崩れるというシナイオが説得力をもって語られているとは言い難かった。この手の話はもう20年近く言われ続けているが、いまだに実現していないし、その問題の赤字の規模も「崩壊」の臨界点をはるかに超えているが、何も起こらない。著者は金融関連の経験が豊富であるが、金融関係者が陥りがちな「マーケットが世界を動かしている」的な幻想にとらわれすぎているのではないか。陰謀論ではないが、覇権国米国の政治的な優位性を考慮する必要があるだろう。また、データがITバブル直後までしかなく、少々古いデータで断定的に語っている点も問題だと思う。
ドル危機を理論的に解説 ★★★★★
ダンカン氏は、1971年にブレットン・ウッズ体制(以後BW体制)が崩壊し、通貨が金の裏づけを無くしたことが、それ以後のさまざまなバブルの発生・崩壊の原因であること、そしてBW体制が崩壊してからの非公認の通貨体制であるドル本位制がこのままでは維持不可能な状態にあること、等を主にFED、IMF等の資料をもとに詳述しています。

米国の巨大な貿易赤字が、各国の過剰流動性を引き起こし、バブルが発生し、その崩壊により当該国の財政が危機に陥る原因になると主張します。また米国以外の各国は、この米国向けの貿易黒字が経済成長の重要な要素となるがゆえに貿易黒字を米国へのさまざまな投資という形で還流させなければならない仕組みとなってしまった現状を説明します。

彼の主張は、その巨大な米国の貿易赤字それをファイナスするために増大した負債の清算が始まるのは不可避であり、それにともないドルの下落が避けられないというものです。
非常に説得力のある本です。