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やさしく読み解く日本絵画―雪舟から広重まで (とんぼの本)

価格: ¥11,279
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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手頃な名品カタログ&アーティストダイジェスト ★★★☆☆
 日本古美術ビッグネーム11名、各人3〜4点の代表作をピックアップし解説する。2001〜2年の読売新聞日曜版連載のうち江戸時代以前の分を増補改定した単行本。メインで採り上げられている作品については、人によっては好みで異論もありそうだが妥当な線。論述部分は普及版の美術書から比較的閲覧しやすい専門誌の論文までを集めて要約し、砕いた表現で再構築した感じ。
 タイトルだけ見ると初心者向けだが、ある程度は日本と中国の文化史の知識がないと具体的なイメージが飲み込めない引用や固有名詞、用語も結構あり、全く白紙の読者だと時々置いてきぼりになりそうな気もする。文章自体は一般読者を意識してユルめなので、飛ばして読めばあまり気にならないのかもしれないが・・。あと細かいことだが、時々モノローグふうというかポエムな雰囲気に流れる叙情系の一人称文体が、なんとなく素人のブログのようで個人的には少々違和感があった。話の流れとしては前後逆のほうが理解しやすい文章が、演出のために順番がさかさになってたりとか。とはいえ読みにくいとか分かりづらいというほどのものでもないので、好き嫌いの問題かもしれない。
 図版はオールカラーではなく、主題の作品以外はモノクロ(小さくても白黒でももうちょっと数があった方が嬉しかったが、この価格ではやむなし)。サイズもA5とやや小さめだがメインについては見開きを利用したりと編集も努力の跡が。比較的最近(発売当時)の研究成果も取り込まれておりトータルではコストパフォーマンスに優れた本なので、欲しいかな、と思った方は買って損したということはないと思います。似たような本はありそうであまりないし。掲載の画家に興味があるけど画集を一冊買うほどではないという人にベストかも。初心者の方にはこれともう一冊、フラットな美術通史の本があったほうが立体的に理解しやすいと思います(美術出版社の「日本美術史」あたりがお薦め)。
 
近世絵画史における11人の巨人達 ★★★★☆
雪舟、狩野永徳、長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳、英一蝶、池大雅、円山応挙、伊藤若冲、葛飾北斎、歌川広重、という近世絵画の歴史を俯瞰して眺めた時に、巨人と目される11人の絵師を取り上げ、1人10数頁程度の解説と何点かの作品を掲載した著作です。その絵師の代表作が基本的にカラーで載っており、その他に押さえておくべき作品もモノクロで紹介されています。

筆者前田恭二氏は、読売新聞社文化部に所属し、美術を担当していますので、その記述は読みやすく、分かりやすく丁寧でかつ日本美術の研究成果も押さえたものになっています。本書は日本絵画を鑑賞する際の助けになりますし、日本画の発達過程とそれの影響力、その後の展開等、美術史における関係性が分かるように記述されています。

断片的な知識はあっても、日本絵画の変遷をたどるのに必要な系統だった知識は持ち合わせていないのが常です。美術館で近世の絵師の作品を鑑賞したとしてもその作風が突然変異的に現れたものなのか、先人の画風を勉強した中で発展したものなのかを見極めないと、その魅力と画業を理解できないことがあります。
先達は必要です。

11人の選定は妥当と言えますが、出自の定説が確立していない東洲斎写楽や、世界的に有名な喜多川歌麿などの浮世絵師を付け加えてもらうと本書に関心を持つ人が増えるのではないかと思います。また長澤蘆雪、曾我蕭白、呉春、与謝蕪村、酒井抱一、司馬江漢、河鍋暁斎なども著者の解説で読みたいと思いますので、いつの日にか増補版を期待したいですね。
日本人に1冊の本 ★★★★★
涙でねずみの絵をかいたことで名高い雪舟。この人の絵ってよく見るとうまいんだか下手なんだか、わからなくなりました。この本はそれだけ絵そのものを見つめさせてくれたのです。でもなぜか雪舟の絵には引きつけられる力があることも納得させてくれました。この本は雪舟から歌川広重まで11人を紹介してくれていますが、綺麗な図版と絶妙な語りで次のページがめくりたくてワクワクしながら一気に読み切ってしまいました。日本にはこんなにすばらしい画家たちがいたんだとうれしくなって、思わず日本人として胸をはってしまいそうでした。ぜひ他の日本人のみなさんにも読んでもらいたいです。
日本画鑑賞入門者にオススメ! ★★★★☆
どこの博物館・美術館に行っても、この本の中の作品のどれかひとつには必ずお目にかかることでしょう。雪舟、俵屋宗達、池大雅・・・日本画に興味のない人でも名前くらいは聞いたことがある超有名どころの、これまた傑作・秀作ばかりを集めて解説してあります。それぞれの作品について作家の半生とからめて説明してあるので、単なる美術書と違って読みやすいし印象に残りやすい。私事ですが先日静嘉堂文庫美術館(世田谷区)に行ったところ、この本で見た作品をいくつか見つけ、ちょっと嬉しくなりました。