『Music in a Foreign Language』は、少なくともアプローチの面では、これまでのアルバムと一線を画している(曲のスタイルまでが変わったとはいえないにしても)。コールはこのアルバムを自宅で制作した。スタジオを捨て、愛用のマッキントッシュを選んだのだ。同世代のロディ・フレイムが名盤『Surf』でやったのとまさしく同じように、コールは自分の声とアコースティック・ギターを中心に曲を組み立て、装飾音を最小限に抑えている。以前のコールでも同じことをしていただろう――しかし、洗練されていて如才ない点は相変わらずだが、かつての彼と比べてあざとさ、小ざかしさが格段に薄れたサウンドとなっているのだ。人間、いつしか「発言すること」と「淡々と語ること」の違いが分かるようになるものなのである。(Andrew Mueller, Amazon.co.uk)