この「放送室の裏」は、
ラジオ「放送室」での内容をきれいに補完しています。
松本の幼馴染の3人+高須のインタビューが載ってますが、
中でも、
はっきり言って「フジイ」さんのキャラクターには圧倒されます。
ラジオの中でも、相当「あく」の強いキャラとして
松本高須に語られていましたが、それ以上に、
このインタビューを読むと、
「フジイ」の強烈な個性に、腹抱えて笑えるというか、
度肝を抜かれるというか、なんというかビビります。いや、いい意味で。
松本高須(そして濱田)の昔には、
こんな友達がいたのか、そんな学校だったのか、と、
今のダウンタウンを見るとき、
少しだけ過去のダウンタウンも想像出来て、時間的な厚みを得られます。
すくなくともラジオを聴いている人は、
漏れなく読んでおいた方がよい「書」です。
面白いので。
この本では天才が創られていく過程が友人達の口から語られます。
それを読んでみて「こうやって天才松本は生まれたのか」と非常に
納得しました。
「松本人志は、昔から「学校一おもろい」って言われてて、その学校
一おもろいヤツが、やっぱり日本一おもろかったわけですよ。日本
一おもろいヤツやってんもん、それは勝たれへんわ。」
この一文になんとも言えない感動を受けました。
松本人志個人に関心がある方はそのパーソナリティ成立前の彼がどうであったか?という純粋なファン心理で読み進むと思うのですが、僕はひとりのスター(松本)と、そのごくごく近くにいながらそうはならなかった人々の距離感と心の動き、みたいなところで深く楽しませてもらいました。青春期の輝かしい想い出とか挫折、今の松本に関する好意とやや矛盾する思い、そうしたものを一般の人々にこんなにリ㡊??ルな形で語らせることができたのは聞き手もまた、その輪の中にいたからでしょう。
映画で見てみたい気もしますね。少年期を経てあるものはお笑いのスターに、あるものは大阪で腰を据えて生きていく、というその姿を。ただその場合、お笑いのトップにいつまでもい続けることができないという、この本にはない残酷な続きもまた必要になるだろうと思うのですが。
松本さんが高須さんを作家の仕事にさそった経緯とかもわかりますし、友人の一人が、有名人になった友人に対する屈折した感情を告白しているところなどは、けっこう泣かせます。
ただ、特にコアなファンでない人にとっては、やっぱり星3つぐらいじゃないでしょうかねえ。わかりませんけど。