言わんとしていることは分からないわけでもないが、国際法初学者にとって必ずしも分かりやすいとは言いにくい。判例も随所に出展してあるが説明が不十分だし、専門用語による記述も多い。巻末の「小論文のすすめ」で設問を提示しているものの、肝心の解答例はなく、「本書の中の特定の箇所から必ずしも直接的に導かれていないものもありますが、」とまで書いてあるのはいただけない。
ある程度国際法を理解した人間ならば面白いが、初学者には教科書類をお勧めする。