火星人の身長と体重との関係。火星人の知的レベルと関連ある要因。 そんな課題から始まる変わった本である。 その間には実際の臨床研究の結果などがちりばめられている。 統計学の本というと、あの忌まわしい「正規分布」と「不等式」から始まるという悪しき習慣がある。今日、統計学とはやむを得ず学ぶものであり、一生の生業として学ぶつもりのない人がほとんどだ。この、大多数の人にとって、この本の書き方は興味を失わず読み進めることができる。 しかも、このGlantzという人の「批判的精神」がよい。最後のパートに書かれている「What Do the Data Really Show?」ところだけでも読む価値はある。学生には、ここだけ教えておけばよいのではないだろうか。