私は、デジカメを購入してから、植物を接写で撮ることに興味を持つようになりました。そして、やってみて初めてそれがとても難しいことに気付きました。どれも同じように見えていた植物が、実際に撮ってみようとすると、それぞれに個性があり、なかなか「これ」といった個体に巡り合えないし、運良く巡り合えても、カメラで切り取ってみると、頭に描いていたものと全く異なっているということばかりでした。このような経験は多くの方がお持ちなのではないでしょうか。
このKarl Blossfeldt氏の写真集は、そんな私から見るとため息が出るような作品の集まりです。選び抜かれた植物達のそれぞれの美しさを最大限に引き出して写真に切り取っています。この植物達をずっと見ていると、彼らの不思議な「色気」が漂ってきます。植物って、結構エロティックな形をしているんだなあと思いました。