Happy Feet
価格: ¥827
映画『Happy Feet』のスタッフに充分に先見の明があれば、アメリカ中の映画館の非常口サインの下にこのCDを搭載したCD自動販売機を送りこんだことだろう。『Shrek』や『The SpongeBob SquarePants Movie』を除けば、映画の曲をまた聴きたいという願望を満たしてくれる子供向き映画は実質上皆無と言ってよかった。これが、映画にぴったりの快活なプリンスのナンバー「Song of the Heart」がどこにも見つからないことの理由の一部でもある。だが、思いがけないパフォーマーたちが努力したことも一因だ。一体誰がブリタニー・マーフィーが歌えるなどと思っただろう? 彼女がカバーした70年代の「Boogie Wonderland」は堂々とした自信に満ちて炸裂しているし、やはり定番のカバーの「Somebody to Love」は足ひれを全速力で動かしてリスナーを掴む。ロビン・ウィリアムズの典型的にマニアックな「My Way (a Mi Manera)」でさえも、魅力がある。ニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマンの「Kiss」と「Heartbreak Hotel」のマッシュアップがおそらくこのアルバムでもっとも弱いところだろうが、大人たちはこれが気に入るだろう。スターとしての貫禄で2人はすでに映画では目立っているのだから。他にも注目すべき曲は数多くある。ピンクの解放感あふれる解釈の「Tell Me Something Good」、K.D.ラングの美しいビートルズ・メドレー「Golden Slumbers/The End」、そしてビーチボーイズの過小評価されている宝石「Do It Again」だ。--Tammy La Gorce