小西康陽が女性アーティストに提供した新旧の楽曲を集めた、ユニークなコンピレーション盤。観月ありさや三浦理恵子らアイドルのキャンディー・ポップを筆頭に、ジャジーなアレンジの中谷美紀、ラテン・テイストの吉岡忍、小悪魔のようなウィスパー・ヴォイスを生かした岩本千春や細川ふみえなど、どの曲も各人の特性をうまく引き出していて感嘆させられる。
なかでも市川実和子の「マジック・カーペット・ライド」は、存在感たっぷりの低音ヴォーカルと70年代ソウル系サウンドがぴったりと溶け合って、本作中でもベストの出来。やはり小西は、“いい女をよりよく見せる”ことにかけては天下一品である。個性派女性アイドルの一断面としても捉えられる好企画盤だ。(小山 守)