「文法・会話・文化」が一体となった今までにないタイプの画期的な語学書。第一部の文法偏ではただ文法を学ぶだけでなく、合間に味のあるイラストやブラジルの有名な詩歌の訳が載せられていて、楽しみながら文法を学ぶことができる。第二部の会話偏では１人の留学生のブラジル留学ストーリーと共に、付録のＣＤのネイティヴスプーカーの生のポルトガル語を聞きながら親しみを持って学習できる。日本ではあまり知られていないポルトガル語版「誕生日の歌」も、ネイティヴスピーカーの歌付きで紹介されており、大変興味深い。また、後半部分にある「コミュニケーションに役立つ重要基本構文１００例」は例文と共に慣用表現が学べ、初心者だけでなく、ポルトガル語学習者にとっても必見のパートとなっている。この手の内容を紹介する本は英語など他の語学書には見られたが、ポルトガル語にはなかっただけに大変役に立つ。他に付録として現地在住のサッカージャーナリストのエッセイや、著者の「ブラジル理解の基礎知識」としてブラジル文化全般に渡ってのエッセイなどがあり大変盛りだくさんの内容になっている。

ポルトガル語に関する書籍の中で、初級レベルの文法書や会話集などはここ数年でかなり増えてきました。しかしながら、これらを学んだ人たちがレベルアップをするための文献となると、まだ少ないのが実情です。そこで、この『文法の世界』には基本構文やイディオムが数多く紹介されており、表現力がつくことは言うに及ばず、写真も豊富に掲載されています。またブラジルの詩の対訳や、コラム（音楽、サッカー）などもその国の文化を知る上で、大変重要です。これさえ勉強しておけば、留学時にもそう困らず、会話も楽しくできることは確実です！！

ブラジル人が口語で使う表現は、他の文法書であまり見たことがないので、そういった部分からこの本は役に立つという印象を受けました。
また、サンバやボサノヴァ、フォホーの名曲を翻訳してあったり、ブラジルの文化についての話などが織り交ぜてあって、文法を学ぶ本なのにかなりいろいろな事が勉強出来ます。

コミュニケーションに役に立つ表現もまとめられていてもの凄く充実した本です。何より、ショッピングの場面で「ただ見ているだけです」なんて表現を載せている語学書ってあまり無いような気がします。思わず笑ってしまいました。

割と印象の良い本ですが、欠点が一つ。

単色で、文字の太さや大きさもあまりも変わらないので、全体的に文字が見にくいことです。もう一色使ってあると見やすさが格段に違うように思うのですが。まぁ、これだけの内容にＣＤが付いてこの値段だったら、仕方がないのかもしれませんが。